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カナダのプライバシー当局、ChatGPTの学習はPIPEDA違反と裁定——OpenAIに是正措置を要求
カナダのプライバシーコミッショナー事務所(OPC)が、OpenAIのChatGPT学習プロセスがカナダの個人情報保護法(PIPEDA)に違反すると裁定。同意なしの個人情報収集・利用が認められるとした根拠を否定し、OpenAIに是正措置とサードパーティ監査を求めた。
概要
カナダのプライバシーコミッショナー事務所(OPC)は2026年5月6日、OpenAIのChatGPT学習プロセスがカナダ個人情報保護・電子文書法(PIPEDA)に違反するとの調査結論を公表した。OPCはOpenAIが「正当な利益(legitimate interest)」を根拠に同意なしでの個人情報収集・使用を正当化しようとしたことを否定。OpenAIに対し、カナダ人の個人情報を含む学習データの取り扱いを見直すよう求める是正措置と独立した第三者による監査実施を命じた。
ポイント
- 違反認定: ChatGPTの事前学習に使われたウェブクロールデータにカナダ人の個人情報が含まれており、有効な同意なしに収集・利用したとOPCが認定
- OpenAIの反論却下: 「正当な利益」の例外規定はPIPEDAには存在せず、GDPRとの混同があったとOPCが指摘
- 是正要求: カナダ人の個人情報に関する学習データポリシーの見直し、プライバシーバイデザインの実装、監査の実施
- OpenAIの対応: 声明で「プライバシー保護に取り組んでいる」と述べたが、是正措置の履行スケジュールは未公表
解説
PIPEDAはGDPRに比べると要件が緩やかとされてきたが、今回の裁定はAI学習目的での個人データ使用に明確な制限を課す先例となる。特に「正当な利益」を根拠にすることを否定した点は、同様の論理で学習データ収集を正当化してきたGPT以外のモデル開発者にも影響しうる。
カナダは現在PIPEDA後継法「Bill C-27」(Consumer Privacy Protection Act)の審議中であり、新法ではAI固有の規制条項が加わる見通しだ。今回の裁定はその立法過程にも影響を与えるとみられている。
この裁定は2025年に申し立てられた調査の結論であり、イタリアのGarante(個人情報保護当局)によるChatGPT一時停止命令(2023年)以来、最も影響力のある個人情報保護当局によるAI規制行動の一つとなっている。
注意点
- OPCは罰金を科す権限を持たず、連邦裁判所への提訴申し立てで実効性を確保する仕組み
- OpenAIが是正措置を拒否した場合、OPCが裁判所に申し立てるプロセスが必要になる
- 日本企業がカナダ人の個人情報を含むデータでAIモデルを学習させる場合も同様の規制が適用される可能性がある
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