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米国複数州で AI への法人格付与を禁止する州法が相次ぎ成立——NPR が 5 月11日報道
AI に対して法的人格(legal personhood)を付与することを明示的に禁止する州法が米国の複数州で成立・審議中であることを NPR が 2026年5月11日に報道した。AI が企業と同様の権利を持つことへの先手的な法的ブロックとして機能する。
概要
米国で AI に法的人格を付与することを禁止する州法が複数の州で成立・審議入りしていることが 2026年5月11日、NPR の報道で明らかになった。法人(corporation)が有するような契約締結・訴訟当事者・財産保有の権利を AI が持つことを事前に法的に遮断する動きで、AI の役割・責任の範囲を人間・企業に限定しようとする立法政策の一環として位置づけられる。
事実のポイント
- 成立・審議中の州: NPR 報道によると少なくとも 5〜7 州で関連法が成立または審議段階にある(具体的な州名は本記事執筆時点では NPR が一部を確認)
- 禁止の内容:
- AI システム・AI エンティティへの法的人格(legal personhood)の付与禁止
- AI が原告・被告として訴訟当事者となることの禁止
- AI が不動産・知的財産等を法的に所有・保有することの禁止
- 背景にある懸念: 一部の法律学者・研究者が「高度な AI エージェントに責任・権利の主体性を認めるべき」と論じていることへの立法的対応
- 連邦法との関係: 連邦レベルの AI 人格禁止法は未成立。各州が先行して禁止規定を設けることで立法の既成事実化を図る形
用語・背景の補足
法的人格(Legal Personhood): 法律上の権利・義務の主体となれる資格。自然人(人間)のほか、法人(企業・団体)も持つ。法的人格を持てば、契約を締結し、財産を所有し、訴訟を起こし・起こされることができる。
AI 人格論争: 一部の AI 研究者・法律学者が、将来の高度な AI エンティティ(特に自律的な AI エージェント)に対して限定的な法的責任・権利を認める仕組みが必要との議論を提起している。これに対し、「AI は道具であり人格を持つべきではない」という反論も強い。
先手立法(Pre-emptive Legislation): 問題が現実化する前に規制の枠組みを法律で設定する立法手法。AI 人格禁止法は、現時点では AI が法的人格を主張する事例はほぼないが、技術の急速な進歩を見越した予防的規制として機能する。
注意点
- 現時点で実際に AI が法的人格を主張した事例・訴訟はほぼ発生しておらず、今回の立法は将来リスクへの予防措置の性格が強い
- 「AI 法的人格の禁止」は現在の AI システム(LLM・エージェント)の利用・開発に直接の制約を与えるものではない
- 州法レベルの規制は連邦法によって優占(preemption)される可能性があり、連邦 AI 規制の動向次第で法的位置づけが変化する可能性がある
編集部見解
(追記予定)
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