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EU AI法、透明性ウォーターマーキング義務の期限を2026年12月2日に確定——高リスクAIはAnnex IIIのみ2027年12月まで延期
EU AI法オムニバス改正合意(2026年5月7日)により、AI生成コンテンツへの透明性ウォーターマーキング義務の期限が2026年12月2日に確定。一方、高リスクAI(Annex III)の遵守期限はAnnex III限定で2027年12月2日まで延期されることが明確化された。
概要
※本記事は公開情報をもとに編集部が再構成したサマリです。一次情報は出典欄をご参照ください。
2026年5月7日のEU AI法オムニバス改正合意により、AIシステムの義務適用スケジュールの重要な詳細が確定した。中でも実務上の関心が高い透明性ウォーターマーキング(AI生成コンテンツに対する識別表示義務)の期限が2026年12月2日と明記された。一方、Annex III(生体認証・重要インフラ・教育・雇用・法執行・国境管理等)に分類される高リスクAIシステムの遵守義務は2027年12月2日まで延期される。両者は別の条文・別の期限であるため、混同しないよう注意が必要だ。
事実のポイント
- 透明性ウォーターマーキング義務(Article 50関連): 2026年12月2日に期限確定。AI生成テキスト・画像・動画・音声に識別表示(メタデータ埋め込み等)が必要
- Annex III 高リスクAIの義務:生体認証・重要インフラ・教育・雇用・法執行・移民・国境管理に用いるAIシステムの遵守期限が2027年12月2日に延期
- 延期の適用範囲はAnnex IIIに限定: すべての高リスクAIに期限延期が適用されるわけではなく、Annex IIの製品に組み込まれた高リスクAI(安全部品として市場投入される製品等)には別の期限が適用される可能性がある
- 禁止AI(unacceptable risk)の期限は変更なし: 社会スコアリング・特定のリアルタイム生体認証等は2024年8月から禁止が発効済みで、今回の改正対象外
用語・背景の補足
透明性ウォーターマーキング(watermarking): AI生成コンテンツが人間の目に見えない形、または機械が識別可能な形でAI生成であることを示す印を埋め込む技術・義務。EU AI法では、ディープフェイク等を含むAI生成映像・音声・テキストへの識別表示を義務付けている。
Annex III(附属書III): EU AI法において、生体認証・重要インフラ管理・教育・採用選考・社会保障・法執行・移民管理・裁判支援等の用途に使われるAIシステムを「高リスク」と分類するリスト。高リスクに分類されると、品質管理システムの整備・技術文書の作成・適合性確認・CEマーキング等の義務が生じる。
EU AI法の全体スケジュール(参考):
- 2024年8月1日: AI法発効
- 2025年2月2日: 禁止AI規定の適用開始
- 2026年8月2日: 汎用目的AIモデル・透明性規定の適用開始
- 2026年12月2日: ウォーターマーキング義務(今回確定)
- 2027年12月2日: Annex III高リスクAI義務(今回延期確定)
注意点
- 今回の合意は暫定的なもので、EU理事会・欧州議会の正式批准後に官報掲載・発効となる
- 加盟国ごとに規制当局の設置・執行能力に差があるため、実際の執行開始タイミングは国によって異なる場合がある
- ウォーターマーキング技術の具体的な実装要件(技術規格・証明方法)は、EU AI Officeが別途ガイダンスとして公表する予定
編集部見解
(追記予定)
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