導入
データ移行
データ移行は、既存の表やシステムから情報を取り込むだけでなく、元資料との一致と、移行後も業務を続けられることを確認する作業です。対象・期間・正本を決め、少量で試し、差異を解消してから切り替えます。
このページの目次
何を移し、何を旧環境で参照するか
- 対象ファンド・LP・投資先の一覧、契約、期首残高、入出金、未処理の請求、過去報告、根拠文書を棚卸しします。担当はGP運営、数値の確認者は経理・報告担当、切替判断は導入責任者です。
- 最初の業務に必要な期間と粒度を決めます。残高だけ移す場合、過去の取引履歴や当時の報告をどこで参照するかも残します。
- ファンドアドミへ委託している場合だけ、委託先から受け取るファイル・形式・期限を追加します。委託先の納品完了とGPの受入確認は別です。
対応表を作り、基準日と定義をそろえる
- 元の項目名、移行先項目、識別ID、単位・通貨、基準日、変換方法、確認者を対応表にします。同名企業や名称変更を、名前の一致だけで同一と判定しないようにします。
- 空欄・未取得・実績ゼロを区別します。月次と四半期、期首と期末、約束した金額と実際の入出金を混ぜず、元資料の版を残します。
- 数値と文書を結ぶ参照も対象です。添付ファイルが開けるか、当時の承認・訂正履歴を追えるか、旧IDとの対応を確認します。
試験取込と照合を別工程にする
- 利用を認められた検証用データで試し、件数に加えてファンド別・LP別の残高、取引合計、期間、未処理事項を元資料と照合します。合計が合っていても、別LPへの割当違いは残り得ます。
- 重複、欠損、不正な値、途中失敗、再取込を試します。部分成功は成功分と失敗分を分け、再実行で二重登録や意図しない上書きが起きないか確認します。
- 実際の利用者の権限で、必要な資料を読めることと、対象外のファンド・LPの資料を読めないことを確認します。共有テスト環境の既存データは初期化・上書きしません。
切替中の変更と切戻しを決める
- 試験後に旧システムで生じる追加・訂正・取消を控え、最終移行へ含める範囲と締切を決めます。両方の環境へ自由に入力できる状態のまま、正本を曖昧にしないようにします。
- 入力停止の時間、連絡先、最終照合の担当者、開始可否の判断者を決めます。処理時間はデータ量に応じて測り、実行だけでなく照合・判断に必要な時間も確保します。
- 切戻しは、元の運用へ戻す手順です。戻す判断条件と期限、切替後の新規入力を失わない回収方法、再開前の照合方法を決めます。バックアップがあるだけで業務を戻せるとは判断しません。
Autaisで確認できる取込例と限界
- コード確認済み・操作検証前:KPIのCSV一括インポートには、企業名・基準日を指定し、同じ企業・同じ日の値を更新する処理があります。これはファンド台帳・契約・残高・全履歴をまとめて移す一括移行機能ではありません。
- CSVアップロードからジョブ経由でスナップショットへ書く経路は、基準日や欠損の扱いが異なります。過去値を移す前に、実際の保存日付・補完値・再書込結果を確認します。
- 以下の共通スライドはKPI取込の例として掲載しています。他のデータの移行形式、添付・権限・履歴の引継ぎ、移行前後の一括照合や切戻しの自動化は、個別に確認が必要です。
受入結果を残して通常運用へ渡す
- 移行対象一覧、対応表、実行結果、差異一覧、解消根拠、残課題と担当・期限、責任者の受入結果を一組で保存します。エラー件数ゼロだけを完了条件にしません。
- 旧システム・旧資料の参照方法、アクセスできる担当者、保管期間、終了判断を決めます。参照不要と確認する前に削除する手順にはしません。
- 企画候補は、移行バッチごとの元データ版・対象行・変換・保存結果・差異・再処理・受入判断を追う照合画面です。現状は運用資料で補い、専用の全件移行管理が提供済みとは案内しません。
よくある質問
Excelをそのまま全部取り込めますか?
データ種別ごとの項目・形式・履歴・権限を確認する必要があります。KPIのCSV取込があることは、全ファンドデータの一括移行を意味しません。
件数と総額が一致すれば完了ですか?
LP別・期間別の割当、未処理事項、文書への参照、閲覧権限も照合します。相殺された差異や別LPへの誤割当を見落とさないようにします。
取込が途中で失敗したら、同じファイルを再実行できますか?
成功済みの範囲と更新条件を確認してから判断します。再実行で重複や上書きが起きないことを先に検証してください。
旧システムはいつ停止できますか?
未処理業務、参照が必要な履歴、切戻し条件、保管方針を確認し、責任者が判断します。新システムへログインできた時点で自動的に停止するものではありません。
参考資料・確認範囲
本文確認日:2026-09-07。一般的な業務整理とコード照合に基づく説明です。個別契約・法務・会計判断や、利用環境での操作確認を代替しません。
- Microsoft Learn:Data migration planning for go-live
2025年8月20日更新。処理時間・差分移行・最終切替の連絡と整合性を参照。Power Platform固有の処理性能や推奨日程はAutaisへ転用しません。
- Microsoft Learn:Use a staging database for data migration
2025年8月20日更新。変換・検証・取込を分け、差異と再処理を追跡する設計例。Autaisが同じ構成を提供するという意味ではありません。